ナルクルナイサ

成績優秀、スポーツ万能の娘が自傷し、非定型うつ病になり治癒するまで

カテゴリ: 発症から診断まで

サヤの「突然悲しくなる」「アームカット」などが発覚して16日。

スキーの練習と大会を全てセーブして2週間だ。

土曜日の今日は 彼氏と一緒にスキーに行くらしく
雪上に立つのは2週間以上ぶり。競技の練習をするわけではないけど
雪の上に立って考えることはあるだろう。良い方向にいくといいな、と思った。

先生の話だと 元気はつらつとしていて 今朝はノースリーブを着ていました。との事。

つまり、おそらく、サヤの腕に新しい傷は増えていない。

昨日も泣いたりすることがなくなっている、と彼氏から連絡もらえた。

嬉しいのだが、そのことが私を不安にさせる。
(つらいのを、我慢しているのではないか。。。。)

今日はこの本を読んだ。

私もリスカだった~魂の声リストカットの少女たち

中には壮絶な辛さと絶望と闘う子どもたちのエピソードが載っていたが
私が注目したのはこのエピソードだった。

ある私立高校の保健室の養護教員の話である。

「リストカット?ああ毎日のようにくるわよ。もう慣れっこになっちゃうくらい」
知ってるだけでも10人ほどリストカットしてる生徒がいて、よく保健室にくるそうなのだ。

深刻なケースもあるらしいが、基本、その先生は生徒たちのリストカットを取り立てて大騒ぎしない。
明かな精神疾患が絡んでるケース以外は、ほとんどの場合病院にいくこともすすめない。

「今のリストカットの中には、女の子が大人になるための通過儀式みたいな一面がある。医療につなげなくても、じっくり話をきいて受け止めてあげるだけで自然と落ち着いていく例が多い。」

病院にいくことで、反対に自分は病気なんだとODにのめり込む子もいれば
病院でじっくり話を聞いてもらえないケースでは悪化する場合もある。


リストカットは隠されていることが多いので実態が把握できない。
その分 知らないうちに乗り越えていく子どもたちも多いのかもしれない。

そして早いうちに 幼いころからの親からの無関心だったり、過干渉だったり
トラウマだったり 家庭環境だったり 学校のことだったり
何に苦しんでいるのかSOSに気が付ければ ゆっくり傾聴してあげることが
一番大事なのかもしれないな、と思った。

いまサヤも 大人になる過程の真っ最中なのだ。

子育ては大変ですね。

どんなに愛してても どんなに気にかけても 色々なことが起きます。

今度は母である自分のことを振り返って 我が家の家族の環境とかをまとめてみたいと思います。

結局は呼吸のコントロールと
自分をとことん見つめ直すこと。

言葉では簡単なようで、難しい作業です。

そして、いまの彼女の重症度がどうであれ、この先どんな人生を進むのであっても

大なれ小なれ、色々な困難は出てくるのだ。

大事なポイントになってくると思いました。

私はヨガのインストラクターでもあったので、少しは知識はあります。

あとやはり、マインドフルネスなのか。

もう、いっそのことヴィパッサナーの合宿に10日間行かせるか??

参考になるサイトがありました。


SIMT。聞きなれない言葉がでてきます。

自己洞察瞑想療 法(SIMT)は、意志的反応パターンの訓練にあたります。 
今の瞬間に、自己実現の意志作用で価値実現の反応を選択できるように訓練します。
 さまざまな自分の意識作用を観察して、激しく反応せずに、冷静に受け入れて 、結果的に苦しくならない反応(思考、発語、行動)を選択できるような心を 繰り返しトレーニングをします。
これができるようになると、激しく感情的に ならなくなって、鉛様麻痺感が改善します。 心理的反応は脳内の世界を変えます。
神経生理学的フュージョン(連合)です。症状が消失するような神経生理学的な変化をもたらすのです。

マインドフルネスの講習やSIMTをやってる団体は日本にもたくさんありますが

問題は娘がそばにいない事。
スキーを休む事と、カウンセリングだけで、サヤのつらい症状がなくなれば良いのですが

長い人生を考えて、サヤが、今をやり過ごせばいいと思えない。

それに一度や二度のセッションで身につけられるものでもない。

留学先で探そうと思います。

毎日サヤの事を考えて思ったことがありました。

サヤは、スキーの大会の時に異様な興奮をするのです。
自分で自分を盛り立てているのか わかりませんが それが顕著になってきたのが
この秋くらいからだったと思います。それと同時に、成績もでました。

彼女はどういう風に自分が滑ったか分からない、覚えてないと言いました。
覚えてないほど集中、または興奮して滑っているわけです。
そして、そういう大会の時ほど 結果が出ていました。

「アスリート進化論」という本を読みました。

衝撃的でした。

胸・肩呼吸でアスリートは奮い立つけど一般生活では病気の原因

競技前に大きく口で息をしながら肩を何度も上下させて
アスリートは無意識のうちに、肩呼吸を行うことにより、アドレナリンを分泌させる行為を行っているのです。
自分を奮い立たせる場面などでは役にたちますが 生活全般でこの呼吸を行うと疾病の原因になります。


さらに 調べていくうちに衝撃的な記事を発見した。
  • 現役選手の23%、元選手の28%が睡眠障害を訴えている
  • 現役選手の9%がアルコールの乱用を認め、引退選手では25%に急増する
  • 現役選手の38%、元選手の35%が過去1カ月間に不安やうつ病の兆候を報告した
  • 重度の怪我とうつ病の相関関係が認められた
  • 3回以上重症を負った選手は通常の2~4倍の確率でメンタルヘルス上の問題を報告する
過度なプレッシャーはここまでスポーツ選手たちに、大きな影響を与えるものなのだ。

メッシ、エンケ、フェルプス・・・・

リストカット、非定型うつ病、パニック障害・・・・
みんな 事情はそれぞれ違う。微妙に絡み合った糸は簡単にはほどけない。

それでも答えに近付いてきている気がした。

仮説だが サヤは

練習、大会と 体は疲弊していた
(1月に3か国を転戦して学校にも通った。)

大会では 自分でゾーンに入ろうとして過度な呼吸をする
(アドレナリンを自分で出そうとする)

転戦・時差 学校との両立で休めない

これの無限ループを行っていたとしたら・・・・・・・

肩呼吸が治らず疲弊して鬱になる。

うつになり そんな自分が嫌で 無意識に自傷する(エンドルフィンが出て楽になる)

全部、筋が通るように思えた。

むしろ、リストカットを思いつく、その発想も凄いとまで思った。

今までやれていたことでも、そこに思春期がらきて、ホルモンバランスが変わった上に、大恋愛が加わった。

誰でも 抱えきれず、つぶれてしまうのではないだろうか。

かといって どうしたらよいか分からないし どう伝えたら良いかもわからなかった。

彼女が本当にスキーをやめたいとは思えない。
かといって 今スキーをすることは 非常に危険だ。

「呼吸」だ。と思った。

「呼吸」を自分でコントロールすればいいんだと。

IMG_1267
娘の彼氏から、サヤがリストカットしている。精神が不安定だと知らされてから2週間がたった。

かなり前から症状はあったのかもしれません。

でも明らかに年末頃から急な悪化があったはずです。

フリースキーでは 大きな大会も経験しました。
幼少からやっている彼女の選手としての人生では かなり順調で 
結果もついてきていたし 彼女も生き生きしていた。つい先月のビデオがありますが
どう見ても生き生きと雪の合間を滑ってはジャンプしているのです。

とうとう恋人もできて 
私から見たら順風満帆にみえました。

いまサヤはスキーを休んで、少し落ち着いている。

大きな怪我をして1シーズン滑れなかったこともありますから
焦らなくていい、と言いました。 

学校は行けています。

昨日はバレンタインデーですごくお洒落をしていました。彼に、薔薇の花をもらったのかな。

私は頭の中が混沌としています。が、フル回転で学んでます。

闇雲に調べても仕方ないのですが、調べていないと落ち着かないのです。

精神科医の友達もいて、ずっと話を聞いてもらいました。

そして少し、サヤの状態について興味深い事も思いつきました。

次はそれを書こうと思います。

カナダに向かう飛行機で3冊、自傷についての本を読破した。

そして帰国してからもネットで様々な自傷に関する文、悩みのサイト、自傷してる本人達が書かれてるチャンネル。あらゆる所を徘徊し、自傷について少しずつ正しい知識を得ていった。

そして、徹底的に私が最初に思ったのと違うことがあった。

それは彼女達は「生きるために自傷している」ということだった。

多くは、誰かの気を引くためでもない。
ひっそりと1人で誰にも知られないように絶望や怒り、悲しさから逃れるためにリストカットしているのだ。
辛い思いを切り取るかわりに自分の腕を切りつけている。

切ると、楽になり、やめられなくなる。というパターンが多い。

科学的には、エンドルフィンが出て苦痛を緩和させるのだそうです。

もちろん強い悲壮感があるのは間違いないわけで
彼女らの将来的な自殺の遂行率は一般の人間より はるかに高い。

私はカナダについて、娘に会った。1
日は様子をみて、2日目に切り出した。(この時点でリストカットの確認はしていない。)
思いのほか、娘は平常で元気だった。

「ママね、昨日偶然 サヤの傷、見えちゃった。」

サヤは、ハッとした顔をしてから 照れくさそうに笑った。

「ママに 見せれる?嫌ならいいけど・・」

サヤは照れくさそうに傷を見せてくれた。本当にミミズ腫れ程度の

治りかけた傷が6,7本あった。心は震えたけど平常心よそおって

「消毒してる?つらかったんだね。早く気が付かなくてごめん」と言った。それで抱きしめた。

「これは、サヤの心の傷、心の叫びだから。すぐにやめなくていいけど、元にある苦しさを探していこうね。それを取り去らないとね。」と言ったら 

少し安堵の顔をみせた。きっと怒られると思っただろう。

私だって、何も読まないで、なんの知識もなく見つけたら 泣いて怒ってしまっていただろう。

この対処が正解だったかどうかはまだ分かりません。

ただ、サヤはぽつり、ぽつり、と話もしてくれました。

「最近スキーがなぜか、嫌だ。」

「あんなにスキーが好きで頑張ってたのに分からないけど辛い」

「学校は楽しいし、進路や勉強も悩んでない。」

よし、負担なことはまず休憩してみよう。それで楽になれるかどうか

やってみようか?と言ったら 娘はそうしてみる、といった。

スキーのトレーニング、スキーのコンペティションなどを一通り、キャンセルした。

ここで不思議に感じたのは、本当に1か月前まで興奮して電話がくるくらいに、スキーに熱中していたことだった。

ただ、進学の科目を決めなきゃいけない時期だったし、恋人もできたし、環境がいっぱいいっぱいなのかな?と思って

とにかくどれか1つでも負担を減らしてみようと思った。

もちろん心配は消えなかった。寮の部屋に返すのも迷った。

でも、私は娘を信じてみようと思った。

そして帰国してからは、またさまざまな本を読んだり動画を見たりネットで検索したりした。

娘が自分の腕を切りつけてるのも辛かったが、そうまでしなきゃならないくらいに切羽詰まり、彼女が苦しくて辛いんだっていうことが、私を打ちのめした。

何をやっても頑張り屋。気配りできて、クラスの人気者。スポーツは万能で、見た目も 親がいうのも変だけど、とても可愛い子だ。

憧れの留学をして、夢を追ってキラキラしている。そんなサヤが・・・途方に暮れた。

そんな時に、この動画に出会った。

そうか。サヤは頑張りすぎたんだ。もしかしたら、認めてほしい、もしくは私に笑っていてほしいって無理してたのかもしれない。

あまりにもいきなり、ぷっつり切れた糸のように見えたけど

それはそうじゃないんだ。

積み重なって、積み重なって それで もう限界なんだ。と。だからSOSを出したんだ。それもこっそりと自分を切って耐えてたんだ。ママを心配させないように。分かってよ、苦しいよ。助けてよ。

何となく、すぐに解決する気がしなかった。きっと時間がかかると思った。私は覚悟した。

娘の笑顔を取り戻すまで 心寄り添い 必ず救いたいと。決意した。


https://www.youtube.com/watch?v=ibDIXkGrziI


彼の話と、サヤの話をまとめた。

1.とても楽しそうにしていたり、急に悲しくなったりする。

2.授業やデートは楽しそうにしている。

3.一度だが、パニックになって鼻血を出した。(パニック発作?)

4.良く食べる(もともと良く食べる)

5.私が駆けつけてからはは、とりあえずリストカットは増えてないが抗不安薬を飲んだ。

6.カウンセリング後は落ち着いている

7.春休みには、スキーをしたいと言い出す。でもやはり無理だと言い出す。はたから聞いたら、まるでワガママに聞こえる。

そこでこんな記事を見つけた。

どのような病気でしょうか
非定型うつ病は落ち込むことだけでなく、イライラしたり不安になったり、良いことや楽しいことがあれば楽しむことができたり、良くないことが起きると死にたいくらい落ち込むこともあります。憂うつな気分は続くが好きなことや興味のあることは打ち込め楽しい、夕方にイライラしたりリストカットなどの自傷行為を抑えられなくなったりする、どんなに寝ても眠いなど、日常生活を過ごすうえで支障が出てきます。非定型うつ病は適切に治療すれば時間はかかりますが治る病気です。治療は薬物療法や精神療法、心理療法、生活習慣の見直しが必要になります。治療は一様ではなく、生活習慣の見直しが必要であるように人それぞれかかわるポイントは違います。薬物療法では気分の落ち込みを抑える薬を使います。睡眠の質が低下している場合には症状に合わせて睡眠薬を使います。心理症状では話すと楽になったり、思考の悪循環のスパイラルを変えたりできるようにアプローチすることもあります。主治医やカウンセラーと生活習慣を見直し、健康的な生活を送れるようにすることあります。薬の効果が出始めるのに2週間程度の時間がかかります。ただでさえしんどい時に生活習慣の見直しをすることは大変ですので時間もかかります。個人差も大きいです。この病気かもしれない人は症状を人に相談することなく、自分で抱えているのではないでしょうか。怠けているだけと思われるかもしれないので言えないかもしれません。しんどくて困っているということを信頼できる人や医師、カウンセラーに話してみてはいかがでしょうか。20〜30台の女性に増え続けている心の病に非定型うつ病があります。従来のうつ病とはちがって自己判断がつきにくく、検査で異常が見逃さないために見逃してしまうこともあります。ここではうつ病と新型うつ病の違いをお伝えしします。大きく違う点が食事・睡眠・落ち込む時間にあります。従来のうつ病では、気分の落ち込みは数週間から月単位で落ち込んだまま食欲もなく不眠の状態が続きます。それに対して非定型うつ病では抑うつ状態は軽度で、睡眠も過眠・昼夜逆転、目覚めが悪くなるなど様々は種類があります。食欲は過食で体重が増えることもあります。うつ病では明け方にしんどくなるが、非定型うつ病では夕方に悪くなることが多いです。良いことには気分がよくなり、悪いことが起これば強く落ち込むことも特徴的です。誰にでもかかる可能性がある病気ですが、どういう人がかかりやすいのでしょうか。それは、手がかからない子だった、責任感が強い、自己主張・要求ができない、甘えられない・甘えない、他人に助けを求めない、プライドが高い、優しい人がかかりやすいです。この性格の特徴にはこの記事を読んでいる人は誰にでも当てはまりやすいです。原因は遺伝や育った環境が影響しており、思春期の多感な時期にうまく過ごすことができず、時間をかけて症状として現れています。非定型うつ病以外にも最近多い心の病にはパニック障害・社会不安障害、境界性パーソナリティ障害があり隠れていることが多い病気でもあります。自己判断をせずに精神科や心療内科の医療機関を受診することをおすすめします。

これだ。。。。

全てが合致し、腑に落ち、長い長い推理が終えた気持ちだった。(もちろん、のちに専門医に診断してもらいます。)

他にも診断基準として

いつもより良く食べる・朝よりも夕方が調子悪い・軽いと見逃される場合もある・他人の言うことがひどく気になる・過眠過食

などがある。

これを見つけた時は私は とても喜んだ。軽いウツじゃないの。きっとストレスを除いてあげればすぐ治るんだ・・・と。

しかし詳しく読み調べていくと、薬に反応しにくく治らないものではないが時間がかかること が分かった。

これを知って一番絶望するのは娘じゃないか。こんなにつらい事が、中々治らないなんて・・・

とにかく次の長めの休みには会いに行く予定をたてた。

もちろん帰国させ、休養を取らせることも最初から考えていた。でもさらに今、環境の変化を与えることの方が彼女に負担だと思った。

なので自分にできる最大限のタッグを組んでカナダに娘を置いて、泣く泣く帰ってきたのだ。

原因は大きなストレス、とあるので スキーを休んだことで快方に向かってくれる事を信じ 毎日娘の恋人と連絡を取り合い 過ごす日々。

暗黒の2週間だった。どうしてサヤみたいな良い子がこんな苦しまなきゃならないんだ。何不自由なく最大限の努力をして育ててきた。母一人子一人だけど 寂しくないように祖父母と同居し、好きなことは思い切り健康的にやる子だった。だからこそ、きっと小さな頃から頑張って、私が喜ぶように頑張って、きたのだ。思春期の訪れと共に彼女の心はバランスを崩している。

途方に暮れる日々が続いた。

娘の恋人とは、それから定期的に連絡を取り合うようになった。

むしろ彼の生活に負担にならないかどうかが心配だったのだが、彼は

「サヤを心から好きだし、尊敬してる。僕も助けになりたいから大丈夫。そばにいます。」と言ってくれた。

彼曰く、私が駆けつけてからは、とても幸せそうで落ち着いてる、とのこと。

やはり、スキーが負担になってたんだね、そうだよ、サヤはいつもオーバーワークだから。と言い合った。

それでも不安が拭いきれず、私は自傷についてさらに勉強した。

 自傷行為は、人目を避けてこっそりおこなわれることがほとんどで、明るみに出るのはむしろ例外的だといいます。そうした自傷行為の特徴はよく“氷山”に例えられます。

ある研究者は、自傷行為を早期に発見するためには、自傷者がそれを打ち明けることが多い友人や同級生たちからの情報を重視するべきだと指摘しています。

 人はだれでも、自分の体は大切なもので、守るべきものだと認識しています。それなのに、自傷行為をする人は自分の体を傷つけ、しかも多くの場合、何度も繰り返すため、周囲の人は混乱して冷静さを失ってしまいます。

そのため、自傷行為に込められた本当のメッセージはしばしば誤解されます。
それ自体はショッキングなことですから、周囲の人が理由をただちに理解できなかったとしても、しかたないかもしれません。しかし、「気を引くためだ」「本当は死ぬ気など無いくせに」といった誤った認識をしてしまうと、適切に対応するのが難しくなります。

 実は自傷者本人もどうしてそんなことをしてしまうのか、うまく言葉にできないことも多いのだと言います。自傷行為は、厳しい状況やつらい感情に耐えきれず、追いつめられた末にやむをえずとってしまう行動なのです。

分かちがたい、自傷行為と自殺
 自傷行為は多くの場合、自殺するつもりでおこなわれるわけではないと言われています。
しかし自殺の危険が全く無いかと言うと、そうではありません。
素人目には死ぬつもりのある自殺未遂と、死ぬつもりのない自傷行為を見分けることは非常に困難です。
実際、自傷行為のせいで救急搬送され、都立松沢病院の精神科に入院した人たちへの調査では、53%もの人たちに多少なりとも死にたい気持ちがあったことが確認されていますし
諸外国での研究では、長期的に見た場合には、自傷行為をおこなっていた人はそうでない人よりも自殺で亡くなる割合がずっと高いことがわかっています。
自傷行為による身体のダメージが小さく、それで死ぬ確率が低くとも、それが将来自殺に発展する危険性が低いわけではないのです。

 「やってしまったことを責めたり、逆に事態を真面目に受け止めないなどは、本人をさらなる苦境に追い込むことになります。自傷行為は苦し紛れの下手くそなやり方ではあるのですが、“救いを求める言葉にならない叫び”なのです」(精神科医 林直樹さん)。

自傷者を援助するには
 自傷行為の直接の引き金は、対人関係のトラブルによるストレスであることが多いと複数の研究・調査からわかっています。しかし、直接的な要因だけではなく、それ以前のさまざまな問題にも注意を払わねばならないと考えられています。

 目に見える自傷行為の下には、それを起こす要因として、意識には上らないさまざまな問題が大きく横たわっているということからも、自傷行為は氷山に例えられます。

 そのさまざまな要因の中でも特に重要と思われるのが自尊心の問題です。
自傷行為をおこなう人は、幼少期に虐待にあっていたり、家族内の暴力を目撃していたり
いじめを受けていたりといった、生育歴上の問題をかかえていることが多いことが報告されています
それらは自分が周囲の人々から愛され大切にされているという感覚が打ち砕かれる体験です。
そのために自尊心を十分に育むことができなかったのではないかと推測することができます。

 しかし、この考えには注意すべき点もあります。
それは、この考えが全事例にあてはまるわけではないこと。また、「過去の出来事によって現在が全て決められてしまい、もう変えられないのだ」という悲観論を生じさせる恐れがあるということです。

 それでは、周囲の人はどのように援助するべきでしようか。実際にリストカットに気づいた場合の対応の基本をまとめると次のようになります。

(1)相手が自傷行為をしていることから目をそむけない。
(2)まず傷の手当をし、それを通じて体を大切にすることを伝える。
(3)心配していることを本人に伝え、援助する姿勢を示す。
(4)援助者はひとりで抱え込まないでだれかに相談する。
 

「なかなか回復しにくいものなのだけど、回復して普通に生活している人たちもたくさんいます。
さまざまな困難を乗り越えて、なんとかここまで生き延びてきたのだから
今、自傷行為で苦しんでいる人たちは希望を失わないで」(林さん)。

 病院や学校の保健室をはじめ自傷行為と向き合う現場での対応事例は蓄積されつつあります。
今は、それらを総合し分析して、一刻も早く、さまざまな支援を展開すべき時期にきています。

 いろいろな立場の人たちがもっと連携することが必要です。問題は一度に解決しないかもしれない。自傷行為を何度も繰り返してしまってもあきらめないで、粘り強く回復への道筋が見えるまで取り組んでいくべきです。

なるほど。カウンセリングも始まるし、娘の恋人、寮長、色々な人とタッグを組んでかからなければならない、と再認識した。

そんなある日、娘の恋人からメールがきた。どうも安定剤を市販で買ったらしく、それをチョコレートを食べるようにパクパク飲んでると。 

平静は保っているが、気持ち悪いと言っていたらしい。

娘のリストカットは氷山の一角だ。スキーだけが理由じゃない気がした。

すぐにカウンセリングを早めてもらい寮長と寮のスタッフにはインフォメーションをしてもらった。ODで間違ったらリストカットより怖い。

とにかく、何がなんだか分からないのに娘は苦しんでいた。

カウンセリングを早めてもらい、娘は少し気楽になったようだった。カウンセリングは定期的に続けることになった。

娘からメールがあった。

色んなテラピーがあるみたい。私は動物が好きだから、そういうテラピーもいいな。と書いてあった。

どこまでも健全な発想は変わってなさそうだった。ちなみに高校生にもなれば、学校では隠れてお酒を飲み、煙草を吸う子もいる。サヤはそういう事をもとから忌み嫌っていた。

むしろ、少しグレてもいいんだよ。私はそう思った。
(私はティーンの時は悪かった。いわゆるチーマー時代で、歪んだ交友関係もあった。)

なにか、、、。

どこかに違和感があった。 

第六感だ。

私は的外れな対応をしてるのではないか、と本を読み漁り、ネットから一日中顔をあげなかった。

スキーのトレーニングの厳しさとか大会のプレッシャーは大きいだろう。

それに何より

親の離婚、私の仕事の為の小さな頃の愛情不足、もちろん原因を掘り下げていくとそこがある。

少しづつ、近づいてきてる気がしていた。もどかしい1週間だった。

リストカット。典型的なリスカと違う気がした。

彼氏からの娘の様子の情報を改めてきいた。他の精神疾患も色々探し始めることにしたのだった。

私は専門職、さらに個人経営主です。娘が4歳の時に離婚。
親権を取り、実家に帰って両親(娘の祖父母)に全面的に育児を助けてもらいながら事業も成功。

娘の、サヤは幼稚園から有名私立女子校で育ちながら
フリースタイルのスキーヤーとして本格的に取り組み始め
12歳でカナダの全寮制の学校に留学。言語の壁を越え、4年間の留学が終えたところ。
性格は優しく、正義感が強く、友達も多い。現在16歳。

スキーとしては全日本選手権には出れるけど
まだ優勝はできないレベル。そして、カナダ人の彼と初の大恋愛中。

娘のサポートは勉学、およびスキーに対しても家族団結して行ってきました。

学校は勉学を優先した全寮制の学校。敢えてスキー学校は選びませんでした。
そこには、もし、大怪我をしてしまったら・・という懸念もありましたし、やはり勉学は大切だと思っていたからです。

ことの起こりは2週間前でしょうか。

娘の彼氏からメールがありました。
カナダ人の彼は私に友好的で、もともとよくメールをくれたり、写真をくれたりしていました。

「僕がお母さんに話したことはサヤには絶対内緒にしてほしい」

「サヤが、最近おかしいんだ。急にパニックになって泣いたり、急に楽しそうにしてるのに、急に泣き出すことがある。」

「僕はある種のdipressionウツ じゃないかと思う。」

「そしたら昨日彼女の腕にarm cutを見つけたんだ。5本あった」

「僕はもちろんそばにいるけど、彼女には誰かの助けが必要だと思う。」

そういう内容でした。

しばらくは茫然自失で、にわかに信じられないと思いました。

arm cuts....?

心臓が胸打ち、両親に相談し、すぐに寮長と現地サポートの日本人の相談者に連絡をつけ、仕事の都合をつけて私はカナダに飛びました。

「嘘であってほしい」

「彼が大げさに言ってるのだといいけど・・・」

そんな青天の霹靂の状態から始まるノンフィクションの話です。

これから長い戦いになる、と覚悟ができたので、現在進行形で書いていこうと思います。

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